11月の食卓は「秋の仕上げと、冬の開幕が重なる」
10月の売り場は、秋の実りがそろって並ぶ気持ちのいい月でした。10月が旬の食べもの一覧で「出始め」として紹介しただいこん・ごぼう・キャベツ類は、11月から12月にかけて本番へ入ります。いっぽうで、10月に最盛期だったものは、ここから静かに終盤へ向かいます。
そして11月には、秋には無かった要素がひとつ加わります。「予約」です。ずわいがに、おせち、お歳暮、クリスマスのケーキ——11月に食べるものと11月に頼んでおくものが、同じ売り場に同居しはじめます。これが11月の買い物をややこしくしている正体です。
11月が旬の果物|りんご・みかん・ラ・フランス・柿
11月の果物は「晩生(おくて)に切りかわる月」です。同じ果物の名前でも、10月と11月では品種が入れかわっています。
- りんご:10月下旬からふじ・王林などの晩生種の収穫が始まり、11月が本番です。10月の売り場に「ふじが無い」のは品切れではなく、まだ木の上にあったから。蜜が入るのはこの晩生種で、11月はいちばん見つけやすい時期にあたります。品種ごとの違いは今が旬「りんご」完全ガイド|ふじ・つがる・シナノゴールドの違いと蜜・保存に。
- みかん:10月に並んでいた青みがかった極早生から、11月は早生(わせ)へ。皮の色がそろい、甘みと酸味のつり合いが取れてくるのがこの時期です。極早生・早生・中生・晩生の違いは今が旬「みかん」完全ガイド|甘い一玉の選び方と極早生・早生・中生・晩生の違いに。
- ラ・フランス:10月に収穫されたものが、11月上旬から中旬にようやく食べごろを迎えます。11月は「買う月」ではなく「食べる月」。硬いまま切ってしまうのがいちばんもったいない果物です。見きわめ方は今が旬「ラ・フランス」完全ガイド|食べ頃の見きわめ方と追熟・保存に。
- 柿:富有柿の出荷の最盛期は11月ごろ。10月は早い品種が中心でしたが、11月は甘柿の代表格がいちばん潤沢になります。干し柿づくりが各地で始まるのもこの時期です。品種の違いと渋抜きは今が旬「柿」完全ガイド|富有柿・刀根早生の違いと渋抜き・保存に。
- ゆず:青ゆずから黄ゆずへ。11月から12月が本番で、12月の冬至に向けて出回りが増えていきます。
11月が旬の野菜|だいこん・白菜・ねぎ・れんこん
11月の野菜は「鍋の顔ぶれがそろう月」です。10月に「出始め」だった冬野菜が、ここで一気に主役へ回ります。
- だいこん:11月から秋冬の産地の出荷が始まり、12月から3月が旬の本番。秋から冬のものはみずみずしく甘みが増すのが特徴で、春夏のものとは別の野菜のような味になります。おでんが急においしくなるのは、気温だけの話ではありません。
- 白菜:鍋の主役。収穫量は茨城県が全国1位で、茨城県の統計では令和6年に248,000t、全国827,000tに対してシェア30.0%を占めます。
- ねぎ:寒さに当たると甘みがのり、加熱したときのとろみが出てきます。鍋と汁物でいちばん働く時期です。
- れんこん:一般的な旬は11〜3月。晩秋から冬に泥沼の中から収穫されます。11月17日は「れんこんの日」で、旬の入口にあたります。
- さといも:千葉県は「11月から12月が旬」としています。10月に出始めたものが、ここで味と量の本番へ。煮しめの季節です。扱い方は今が旬「さといも」完全ガイド|ぬめりの取り方・煮しめと保存に。
- ほうれんそう・こまつな・春菊:寒さに当たって葉が厚く、甘みが増す時期。夏のあいだ細かった葉ものが、いちばんよくなります。
- ごぼう・にんじん・かぶ:土の中の野菜がそろって本番へ。けんちん汁や筑前煮の材料が、いっぺんに安くなる月です。
白菜・ねぎ・だいこん・春菊——11月に本番へ入る野菜は、そのまま鍋の材料表になります。個別に献立を考えるより、鍋を1回やる前提で買うほうが、結果として安く、使いきれます。余っただいこんは翌日の煮物、白菜は浅漬けに回せます。
11月が旬の魚介|ずわいがに・真牡蠣・ぶり・ふぐ
- ずわいがに:2026年の解禁は11月6日(金)。ここから冬の主役です。松葉・越前・加能という呼び名の違い、雄と雌でまったく別の買い物になることはずわいがに解禁は11月6日|松葉・越前・加能の違いと選び方にまとめました。
- 真牡蠣:水揚げは10月〜3月ごろで、最も身入りがよい旬は12月〜2月ごろ。11月は身が入ってくる途中の時期にあたります。なお生食用の解禁日は年や海域で動くので、その年の発表を確かめてから動くのが確実です。加熱用と生食用の違いは今が旬「真牡蠣」完全ガイド|岩牡蠣との違い・生食用と加熱用の見分け方に。
- ぶり:寒さが増すほど脂がのる魚で、冬が本番。11月はその入口です。ぶり大根は、だいこんが甘くなる時期と重なるので理にかなった組み合わせになります。
- たら:鍋の定番。冬が旬で、白子が出回るのもこの時期です。
- ふぐ:冬が本番。11月から売り場に並びはじめます。
- さば・いわし:秋から冬にかけて脂がのるとされます。値ごろで冬の食卓をつくれる魚です。
いっぽうで、11月に見送りへ入るものもあります。さんまと秋鮭は、秋の魚として終盤へ。10月まで本番だった戻りがつおも、同じく終わりに向かいます。今が旬「さんま」完全ガイドや今が旬「秋鮭」完全ガイドを読んで買うなら、11月の上旬までが目安です。
上旬・中旬・下旬|11月の買い時カレンダー
同じ11月でも、売り場は月の中で大きく動きます。買い物の目安を表にまとめました。
11月の暦と行事|文化の日・立冬・七五三・小雪・勤労感謝の日
11月は祝日が2回あり、二十四節気が2つ入る、行事の濃い月です。2026年の日付を国立天文台の暦要項などから並べます。
※二十四節気の日付は国立天文台「令和8年(2026)暦要項」より(立冬=11月7日18時52分、小雪=11月22日16時23分)。
立冬とずわいがにが、1日違いで並ぶ年
2026年は、11月6日にずわいがにが解禁され、その翌日の11月7日が立冬にあたります。冬の魚が動きだした翌日に、暦のうえでも冬に入る——暦と売り場が、めずらしくきれいに揃う年です。鍋を始める日を決めかねているなら、この週末が分かりやすい区切りになります。
七五三が日曜にあたる年
2026年の11月15日は日曜日です。数え年の考え方、千歳飴、内祝いの相場と文例は七五三2026は11月15日(日)|数え年・千歳飴・内祝いにまとめました。内祝いは行事のあとに動くものなので、11月中旬から下旬の宿題として覚えておくと慌てません。
ボジョレー解禁は11月19日
解禁日は毎年11月の第3木曜日と決まっていて、2026年は11月19日(木)です。産地と楽しみ方はボジョレー・ヌーヴォー2026の解禁日は11月19日(木)|産地と楽しみ方に。その年のぶどうの出来をいちばん早く味わうという趣旨のワインなので、寝かせるものではないという点だけ押さえておけば十分です。
11月の贈り物と年末支度|「早割」が効く最後の月
11月の贈り物は、贈る月というより、段取りを決める月です。
お歳暮は「11月に決めて、12月に届ける」
お歳暮を贈る時期は12月に入ってからが中心ですが、選んで手配するのは11月です。関東ではおおむね12月1日から20日ごろに届くように贈るのが目安とされます。早割は11月のうちに終わることが多いので、11月中旬までに相手と品を決めておくと、値段でも手間でも得をします。時期・のし・相場はお歳暮はいつからいつまで?|関東は12月1日〜20日ごろ・のしと相場に。
ふるさと納税は、11月中に動かすのが安全
ふるさと納税はその年の1月1日から12月31日までの寄付がその年ぶんになります。ただし年内の受付締切が12月31日より前になる自治体・支払い方法があり、人気の返礼品は12月を待たずに受付を終えることがあります。
- 控除を受けられるのは寄付をした本人。家族の名義で申し込むと、控除もその人のものになります。
- 自己負担は原則2,000円。上限額は収入や家族構成で変わります。
- 控除には原則として寄付をした翌年の3月15日までに確定申告が必要です(総務省)。
- 確定申告が不要な給与所得者等で寄付先が5団体以内なら、ワンストップ特例制度が使えます。この場合、所得税からの控除は行われず、全額が翌年度の住民税から控除されます。
- 年末は申し込みが集中します。11月のうちに動かすほど、選べる幅が広く残ります。
クリスマスとおせちは、下旬に予約する
クリスマスのケーキやチキン、おせちは、11月下旬から12月上旬に予約の山が来ます。消費者庁は、ケーキやおせちなどの季節商品について売れ残りの廃棄が毎年問題になっていると指摘し、消費者にできることとして「計画的に予約購入する」「食べきれる量を考えて」予約することを挙げています。予約は、確実に手に入れるための手段であると同時に、捨てられる食べものを減らす手段でもあるということです。
11月の献立ヒント|行事と旬をつなげる
- 立冬(11月7日)の鍋……白菜・ねぎ・だいこん・春菊。11月に本番へ入る野菜だけで鍋が成立します。
- 解禁の週末(11月6日〜8日)……ずわいがに。値は張るので、雄か雌か、活かボイルかを決めてから買い物に出ると迷いません。
- 七五三(11月15日)……赤飯と、煮しめ。さといも・れんこん・にんじん・ごぼうが、ちょうど本番です。
- ボジョレー(11月19日)……チーズと、秋の実り。きのこのソテーや、柿とチーズの組み合わせも合います。
- 勤労感謝の日(11月23日)……もとは収穫を感謝する日。新米と、旬の野菜の汁物で十分にかたちになります。
- 寒い日の常備菜……ぶり大根。だいこんが甘くなる時期と、ぶりに脂がのる時期がぴったり重なります。
11月の旬についてのよくある質問(FAQ)
Q. 2026年の立冬と小雪はいつですか?
A. 国立天文台の「令和8年(2026)暦要項」によると、立冬は11月7日(18時52分)、小雪は11月22日(16時23分)です。立冬は暦のうえで冬に入る日、小雪は雪がちらつきはじめるころとされ、冬支度の目安になります。
Q. 11月に旬を迎える野菜は何ですか?
A. だいこん・白菜・ねぎ・れんこん・さといも・ごぼう・にんじん・かぶ・ほうれんそう・春菊などです。10月に「出始め」だった冬野菜が、11月から12月にかけて本番に入ります。白菜は収穫量全国1位が茨城県で、同県の統計では令和6年に248,000t(全国827,000t・シェア30.0%)。れんこんは一般的な旬が11〜3月、さといもは千葉県が「11月から12月が旬」としています。
Q. 11月の魚介で、いちばんの狙い目は何ですか?
A. ずわいがにです。2026年の解禁は11月6日で、ここから冬の主役になります。ぶり・たら・ふぐも冬が本番で、11月はその入口です。真牡蠣は水揚げが10月〜3月ごろ、最も身入りがよい旬は12月〜2月ごろなので、11月は身が入ってくる途中にあたります。なお生食用の解禁日は年や海域で動くため、その年の発表を確かめてから動くのが確実です。
Q. 10月と11月で、りんごやみかんは何が変わりますか?
A. 品種が入れかわります。りんごは10月下旬からふじ・王林などの晩生種の収穫が始まり、11月が本番です。蜜が入るのはこの晩生種にあたります。みかんは10月の極早生から11月は早生へ移り、皮の色がそろって甘みと酸味のつり合いが取れてきます。名前が同じでも中身が替わるので、先月の印象で判断しないほうが確実です。
Q. ラ・フランスは11月に買えばいいのですか?
A. 10月に収穫されたものが、11月上旬から中旬に食べごろを迎えます。11月は「食べる月」です。並んだ直後の硬い実をそのまま切るのがいちばんもったいない食べ方なので、軸のまわりのシワや肩のやわらかさで食べごろを見きわめてから切ります。
Q. ふるさと納税は、いつまでに申し込めばいいですか?
A. その年の1月1日から12月31日までの寄付がその年ぶんになりますが、年内の受付締切が12月31日より前になる自治体・支払い方法があり、人気の返礼品は12月を待たずに受付を終えることがあります。11月のうちに動かすほど選べる幅が残ります。控除には原則として翌年3月15日までの確定申告が必要で、確定申告が不要な給与所得者等で寄付先が5団体以内ならワンストップ特例制度が使えます。
Q. お歳暮の手配は11月でよいのですか?
A. 贈る時期は12月に入ってからが中心ですが、選んで手配するのは11月が適しています。関東ではおおむね12月1日から20日ごろに届くように贈るのが目安とされ、早割は11月のうちに終わることが多いため、11月中旬までに相手と品を決めておくと値段でも手間でも有利です。
まとめ/12月の旬は?
11月は、①秋の果物が晩生に切りかわり、りんごとみかんの本番が来る、②白菜・ねぎ・だいこんなど鍋の材料がそろって本番へ入る、③11月6日のずわいがに解禁を合図に、冬の魚介が動きだす。そして④お歳暮・おせち・ふるさと納税・クリスマスの予約が、下旬にまとめて来る月です。「上旬は食べる、下旬は頼む」——この分け方さえ持っておけば、11月の売り場で迷うことはありません。
12月は、真牡蠣が最も身入りのよい時期に入り、ゆずと冬至、そして年末の支度が重なる月になります。個別の食材は、ずわいがに解禁は11月6日、今が旬「真牡蠣」完全ガイド、今が旬「りんご」完全ガイド、今が旬「みかん」完全ガイド、今が旬「さといも」完全ガイドへ。先月ぶんの一覧は10月が旬の食べもの一覧にあります。
——次は、こよみが「今が旬『れんこん』完全ガイド」をご案内する予定です。

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